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農学部×Linux

農学部で情報系の勉強をしている人の備忘録。

FOSS4G と リモートセンシング【FOSS4G Advent Calendar 2016 】

FOSS4G Advent Calendar 2016 21日目の記事です。

技術寄りの話はみなさんが書かれているので、FOSS4Gとリモートセンシングの外観を書きます。

 

 

 

リモートセンシング(以下、リモセン)の世界に足を踏み入れてから私の研究はOSSに支えられてきました。

リモセンの解析には商用ソフトウェアのENVI/IDL、ArcGISが有名です。

 

しかし学生の身分としてはこれらの商用ソフトウェアを使うのは敷居が高いのが現状です(仮に研究室単位で購入できても、卒業したら使えなくなってしまいます)。

 

そこで登場するのがFOSS4Gです。OSS最高、プログラミング楽しい、万歳。

しかしGIS利用のFOSS4Gの日本語文献は沢山あるのですが、ことリモセンになると一気に少なくなります(あったとしても、結構情報が古かったり…)。

 

私もこの分野に足を踏み入れた当初は、どういうツールを使えばいいのか迷いました。

そこで当時の自分に送る、リモセン分野におけるFOSS4Gのツール群を分野ごとに書いていきます。

こんなツールもあるよ、これは違うというツッコミがありましたらコメント欄にお願いします。

以下、Linux利用者の見解です。

 

CUI解析ツール

GRASS GIS

ラスタ・ベクタ解析をシェル環境で行なえます。

CUIツール群とシェル環境の相性は抜群です。ちょっとしたラスタ演算やカラーテーブル処理(GDALでもできますが)、ちょっとコアな解析(入射角計算など)を一括処理出来るのが魅力的です。

 

ただ、複雑な数式に落とし込もうとすると結構厳しかったりします。

(ラスタ演算にはr.mapcalというものを使うのですが、if演算を組み合わせて書くなど可読性に欠けます。)

 

自分の周りの人はシェル環境で使っていますが、最新のバージョンであるGRASS 7.XではPython環境での利用を推奨しているようです。GRASS環境でのデータの取扱とPythonとのやりとりがどうなっているかは把握していませんが、もしかしたらラスタ演算をPythonでサラサラと書けるのかもしれません。

 

普段はバッチ処理をする場面が多くCUIでしか使わないのですが、GUI環境もしっかりしているようです(ただGUI利用だとQGISの方が日本では人気ですね)。

 

GDAL/ogr

地理情報コマンドライン/ライブラリ群です。

コマンドラインで個人的によく使うのが

  • gdalinfo(ヘッダ情報の閲覧)
  • gdallocationinfo(緯度経度での値の取り出し)
  • gdal_translate(切り貼り)
  • gdal_warp(座標系変換)
  • gdal_merge.py(バンド結合)
  • gdal2tiles.py(タイルレイヤの作成)
  • gdal_calc(簡単なマスク処理)です。

gdalbuildvrtを使うとカラーテーブルの変換も行えます。

またコマンドラインで足りない処理はAPIを使って、PythonC++で書くことが出来ます。

 

以下のリンクも参考になります。

月の杜工房 - gdal/ogr小技集

GDALコマンド

 

GUI解析ツール

QGIS

多くは語りません。

リモセン利用としては

  • 解析した結果(Geotiff)をドラック&ドロップでレイヤ(OpenLayersQuickMapServices)と重ね合わせる
  • 値のチェック(ooプラグイン
  • ポリゴンの作成

を頻繁に使います。

プラグインを利用すればもっと便利な解析が出来るはずなのですが、如何せんリモセンデータサイズが大きすぎて(〜数百GB)、GUI利用をする機会が少ないのが現状です。

 

 

データベース

PostGIS

PostgreSQLGIS拡張を加えたものです。

大規模リモセンデータを格納するのに使えます。

csvからのポリゴンデータ一括作成で以前使いました(今思うと他のツールで事足りた気がします)。

 

・ SpatiaLite

SQLiteGIS拡張を加えたものです。

SQLiteはユーザー設定が要らないので、個人的にはPostGISより使い機会が多いです。

 

SAR解析

PolSARPro

ポラリメトリックSARの解析の定番(?)です。

公式のドキュメントの物理テキストがやたらと充実しています。

Linuxでもインストールのバッチファイルのパスを変えればインストールできます。

とらりもん - PolSARpro

 

MapReady

Alaska Satellite FaciltyがリリースしているSAR解析ツール。

GUIツールとCUIツールがあります。

ドキュメントがかなりしっかりしているので期待していたのですが、GUIツールがLinuxにどうしても入りませんでした。

 

データのフォーマットが独自のものを使用しており、CUIツールで自動処理しようとするもツール群の流れがつかめず挫折。GUIが使えれば調査できるのですが…無念。

 

SAR Training Processer

こちらもAlaska Satellite Faciltyがリリースしているツールです。

SAR解析で使う数学を、段階を追って勉強できます。

こちらはLinuxでもインストール出来ました。

とらりもん - SAR Training Processer

 

Sentinel-1 Toolbox

Sentinel-1と名前がついていますが、他のSAR衛星もサポートしています。

こちらはインストールは出来たのですが、データのインポートでJavaのエラーが出て断念。

 

大気補正

6SV

大気補正の勉強の時に使ってみたいと思っているツールです。

Fortlan 77 で書かれているらしいです。

 

幾何補正

・gdal_translate、gdalwarp

 

可視化

OpenLayers

gdal2tiles.pyで解析結果をタイルにして、既存のレイヤと重ね合わせたり。

 

番外編

Google Earth

FOSS4Gではないですが、リモセン分野での利用者は多いです。

点群データと時系列衛星画像の整合性のチェック、ポリゴン・教師点の作成などが主な利用用途のようです(私は普段利用していないので…)。

 

最後に

リモセン分野のノウハウは以下のサイトに集約しています。

とらりもん - とらりもんHOME

FOSS4G利用者の皆様の知見をこちらのサイトに還元していただければ幸いです。